『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』がついに公開。17日にはそれを記念した舞台挨拶が、TOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催。主人公・竈門炭治郎役の花江夏樹、竈門禰豆子役の鬼頭明里、我妻善逸役の下野紘、嘴平伊之助役の松岡禎丞、魘夢役の平川大輔、煉獄杏寿郎役の日野聡ら声優陣、さらに主題歌を担当したアーティスト・LiSA、外崎春雄監督が登壇した。
盛大な拍手と共に、笑顔でステージに現れた豪華キャスト陣。上映を終えたばかりの会場には熱気が渦巻き、感動に涙する人も。花江が会場のファン、さらに全国の劇場でライブビューイングを楽しんでいる観客に「楽しんでいただけましたか?」と尋ねると、大きな拍手が上がった。
映画を観た花江も「本当に魂が震えて、心が燃えるような、そんな映画でしたね。もう言葉じゃ表しきれないような、僕も観た時しばらくうまく歩けないくらい泣いてしまって、それくらい感動しました」と溢れる想いを口にし、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
TVアニメの放送以来、作画のクオリティの高さが評判を得ている「鬼滅の刃」だが、今回の劇場版では40人以上の行方不明者を出しているという無限列車を舞台に、炭治郎たちと史上最強の敵・魘夢による激しい戦いが描かれる。
本作の作画について聞かれると、外崎監督は「列車の中に炭治郎たちが乗り込んだときは、とても刀を振れるような広さではないんです。なので煉獄が鬼と戦うときに照明を少し暗く落として、みんなが分からないように列車の中を広くしているんです」と、細部にまでこだわって、列車内の戦闘シーンを完成させたと明かした。
一方で監督と同じように並々ならぬ熱い想いを持って本作の収録に挑んだ声優陣。花江が今回炭治郎を演じる際、意識したことを聞かれると「炭治郎にとって何が原動力になっているかというと、禰豆子を人間にもどしたい、家族の仇を討ちたいという想いで鬼と戦っているので、その気持ちを絶やさないようにして演じました。今回の魘夢は酷い夢や幸せな夢につけこんで炭治郎たちを追い込む血鬼術を使っているので、より炭治郎としては怒りの気持ちが無限列車では爆発していたんじゃないかと思います」と、炭治郎の根底にある強い気持ちを持ちながら、魘夢と戦うシーンは炭治郎の“怒り”の感情を抱いて熱演したとコメント。
続いて禰豆子役の鬼頭が今回の演技について聞かれると「今回の物語では、禰豆子の可愛らしいシーンがとてもいっぱいあって、とにかく可愛く演じました。でも、禰豆子が寝ている皆を起こすシーンがあって、禰豆子がいなかったらどうなっていたか分からないくらい、素晴らしい活躍を見せていましたし、禰豆子の成長もすごく感じられましたね」とより可愛さに磨きをかけた演技、さらにそんなシーンとは一変、逞しい禰豆子の成長について語った。
そして、下野が禰豆子の魅力について聞かれるとすかさず「いつでも可愛いですよ! 夢の中の禰豆子ちゃんは最高でしたね! いや可愛いですよね~どこに出ししても恥ずかしくない! お宅の妹さん最高よ!(花江に向けて)」と善逸並みのラブコールを送るが、花江が「いや~ありがとうございます。でもお兄さんとは呼ばないでください!」と、まるで炭治郎と善逸のような息の合った掛け合いが起こり、会場には笑いが飛び交った。
伊之助役の松岡は「やっぱり、TVシリーズの延長線上で、みんな仲良くなってからの物語だったので、とても仲の良さが出ているなと感じました」と、戦いを経て仲良くなった炭治郎と善逸、伊之助ならではの魅力をコメント。
花江は炭治郎と伊之助の2人の共闘シーンについて「2人で呼吸を合わせて頑張りましたね。列車の上で戦っているので、基本2人とも声を張りっぱなしなんです。いつ声がなくなるかと思ったくらいで。予想していた以上にアクションシーンが激しく動いていたので、大迫力でした。2人で気合いを入れてとったシーンなので、完成版をみて嬉しかったです」と声優陣全員が身を削る思いで挑み、それぞれが切磋琢磨し合うことでシーンを完成させたと振り返る。炭治郎達が協力しあって魘夢に立ち向かうように、声優陣が一丸となって作品を完成させたようだ。
そして本作に欠かせないのが、鬼殺隊の中でも最高位である“柱”の一人、炎の呼吸を使う、炎柱・煉獄杏寿郎。劇場版で初めて任務に挑む姿が公開となった煉獄は、後輩である炭治郎らに激励の言葉を投げかけるシーンや、鬼との戦闘など、その魅力が早くもファンを虜にしている。
煉獄杏寿郎役の日野は「まず煉獄といえば、独特の個性といいますか、そちらを強く意識する場面が「うまい!」と言うところですね。煉獄の独特の個性をしっかりと出して、観客の方にまずは笑顔になっていただくというところを意識しました。そして煉獄としては技をみせるのが今回初でしたので、柱としての強さやかっこよさ、頼もしさを炭治郎たちにみせるというところを心がけていました」と、明朗快活な煉獄が持つ強い正義感、炭治郎たちの“先輩”としての頼もしさを強く意識したとコメント。
また煉獄の戦いについては「迫力のある技の応酬で、自分も見ていて圧倒されました。煉獄っていつも目を見開いて一見何を考えているか分からないのですが、裏では頭の中で何手も先を読み、状況判断する優れた能力の持ち主でもあり、柱としての頼もしさが濃密に描かれていたと思います」とその魅力を熱く語った。
さらに、炭治郎たちが今まで対峙した鬼を超える、史上最強の敵・魘夢を演じた平川は「綺麗な見た目に反して、(魘夢は)外道なので(笑)。彼の歪さとか、嗜虐性と冷静さのアンバランスな感じが出せたらいいなと思い、収録に臨みました」と、独特の怪しさが光る魘夢の演技についてコメント。
花江も「どこか夢心地というか何を考えているのか分からない怖さが平川さんの演技から伝わってきました」と平川が演じる魘夢を絶賛し、「不気味さが詰め込まれていたので、戦っていて物凄い強敵だなと思いました」と魘夢との激闘を振り返った。
主題歌「炎」を歌うLiSAは映画について「始まった途端に、皆が返ってきた! という感覚になり、ひと泣きしました(笑)。楽しく戦いに向かっているシーンで笑って、最後に向かっていくにつれて、皆さんが魂を吹き込んだキャラクターや素晴らしい映像・BGMに没頭して、完全に涙してしまいました」と自身も好きなエピソードだという「無限列車編」を映画で見ることができたその感動を熱弁。
作曲を務める梶浦由紀さんと共に歌詞を書いて完成させたという、美しいバラードで奏でられる本作の主題歌「炎」については「何度も原作を読み返して、梶浦さんに自分の想いを伝えたりしながら制作させていただきました。実際に見たら、自分が想い描いていた歌詞のフレーズを思い出すシーンがすごく多くて、そこも大切に映像の中に盛り込んでいただけているなと感じて、とても嬉しかったですね」とうまく合わさった映像と音楽の魅力を熱く語った。
最後には「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編が多くの人の心に届くことを願って、全集中!」という花江の声を合図に、煌めく水色と赤色のテープが舞い、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
外崎監督が「皆さんに、無事この作品を届けられたことに、ほっとしています。キャストの方だけでは無く、数えきれない様々なセクションの制作スタッフが、より良いものを届けようと、一丸となって頑張って作り上げた作品なので、是非受け取ってもらえたらうれしいです。皆様に長く愛される作品になればいいなと思いますので、是非これからも楽しんでください」とコメント。
続いて花江が「僕自身役者として、鬼滅の刃のいちファンとして、大好きな無限列車編が劇場で観れる感動をやっと味わうことができて、本当に嬉しく思います。劇中で煉獄さんから炭治郎たちにかけられた言葉がより多くの皆さんに伝われば良いなと思っています。みんなの力が合わさってできた映画だと思っておりますので、これからも応援の方引き続きよろしくお願いします。我々は心を燃やして頑張っていきたいと思います!ありがとうございました!」と力強く締めくくり、観客の鳴りやまない拍手と共にイベントは幕を閉じた。
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