
純白の繭に込めた愛情
かつて日本の一大産業だった養蚕業。シルクは「繊維の女王」と呼ばれ、愛されてきた。薩摩川内市のバイオアースはカイコの持つ可能性に着目。シルクを主成分とした化粧品のブランドを昨年5月に立ち上げ、情熱を注ぐ。
同社はエサとなる桑栽培から手がけ、桑の葉が取れる4~10月の間に養蚕をする。4月下旬、事務所を訪ねるとゴマ粒大のカイコがふ化したばかりだった。代表の植村頼美さん(50)は「今は小さいけれど、あっという間に大きくなるんです」と目を細める。

商品ブランド名は「BIOND」。ローション、美容液、フェイスクリームなどを展開する。鹿児島市の山形屋や城山ホテル鹿児島、薩摩川内市のホテルグリーンヒルで購入できる
もともと主婦だった植村さん。起業のきっかけとなったのは2014年に見た、カイコの遺伝子が全て解読されたことを伝えるテレビ番組。高校時代に生物工学を学んでいたことから「カイコを起点にいろんなことが実現できるのではと感じた」。研究者らを訪ねて、どうすれば養蚕を事業化できるかを一から勉強した。

未経験からの挑戦。「多くの人に応援してもらっている」と植村さん。家族一丸となって畑をつくった。葉は丁寧につみ取り、桑茶にも加工する
化粧品づくりは、シルクと人の持つタンパク質がほぼ同じであるところに注目した。乾燥していない生の繭から、美肌効果の高い「フェブロイン」、乾燥や紫外線から肌を守る「セリシン」を抽出。上質な化粧品に仕上がった。
環境の変化に敏感なカイコ。温度管理を徹底し、農薬を使わずに育てた桑で成長する。繭の採取も全て人の手だ。「環境に優しく、安心して使えるものをつくることは次世代への責任。地域の雇用にもつながるよう、付加価値を高めたい」と植村さん。純白の繭に、愛情と未来への希望を込める。
バイオアース
- 薩摩川内市都町3965-2
- TEL:0996(29)5305

カイコがふ化して、繭をつくるまでは1カ月。朝夕問わず、給餌が続く。室温は24〜25℃でコントロールする。繭ができたら、一つ一つ手作業で採集。県内の委託工場で成分を抽出し、化粧品をつくる
よかもんのススメ…
カフェつばさ

マルシェや月1回の認知症カフェで多くの世代が集う
店主の下園須美子さん(69)が厳選したアロマや雑貨を扱うカフェで、バイオアースの商品も並ぶ。イベント出店で一緒になったのが縁で「すてきな香りで、使い心地もいい」。
店内では野菜をふんだんに使った料理が楽しめる。イチオシはダッチベイビーパンケーキをアレンジしたキッシュのランチセット(サラダ・ドリンク付き、1100円)。ふわふわした生地のキッシュは新感覚。選べるドリンクには、オリジナルブレンドのハーブティーも。下園さんは「ここでの時間が癒やしになればうれしい」。心にも体にも優しい空間だ。
カフェつばさ
- 薩摩川内市中郷1-7-9[MAP]
- TEL:0996(23)6900
- 営/10:00~18:00
- 休/土曜
- P/あり
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