コロナ終息願い、矢放つ 三国・大湊神社で椿祭り - 中日新聞

コロナ禍退散などを願い、鏑矢を放つ松村宮司＝坂井市の雄島で

　坂井市三国町安島の大湊神社境内で三日、恒例の椿（つばき）祭りが始まり、海上の安全や無病息災を祈る神射式「二タ手之矢（ふたてのや）の神事」が営まれた。新型コロナウイルス感染症の早期終息の願いも込め、松村典尚（みちなお）宮司（４８）が海に向かって鏑矢（かぶらや）を放った。

　神射式は雄島の社殿であり、祝詞を上げた松村宮司が舞を奉納し、東尋坊を一望する場所へと移動。「ややのおかかのかどさして、しゅっ」との掛け声とともに矢を放った。例年は竹の弓矢を使うが、今年は特製の鏑矢に替えた。

　同神社縁起によると、朝鮮半島からの船が雄島近海に攻め寄せた千三百年前、雄島の神々が境内に生えた竹で弓矢を作り、退散させたのが始まり。一時期途絶えたが、四半世紀前に復活させた。例年は五日まで、同神社陸宮（あげのみや）などでツバキの葉で挟んだ餅を提供しているが中止した。住民有志による地元飲食店やギャラリーで民芸品を展示するなどの企画も見送られた。

　椿祭りは、雄島に群生するヤブツバキを自然や文化の象徴と捉えて命名。松村宮司は「雄島の自然や文化は安島や三国、そして福井の宝。皆で末永く守っていきたい。コロナ禍終息後に、ぜひ来ていただきたい」と話した。雄島橋には、島や駐車場への立ち入りを禁じる看板が掲げられている。

　（北原愛）

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