行方市役所内に設置したモンゴルコーナーの前で、日本とモンゴルの国旗を手にするボルド・ゾルジャルガルさん=同市役所で |
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行方市と故郷モンゴルの懸け橋となるべく、市の地域おこし協力隊員として昨年十一月から活動する。外国人で協力隊に任用されたのは県内で初めてだ。
モンゴルの首都ウランバートル出身。モンゴル勢が活躍する大相撲などを通じて日本に興味を引かれ、大学時代は日本語を専攻した。二〇一五年、北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)に研究生として来日し、昨年三月に修士課程を修了した。
行方市を初めて訪れたのは昨年八月。東京五輪に向けたモンゴル重量挙げチームの合宿で通訳を務めた。市は東京五輪でモンゴルのホストタウンと重量挙げチームの事前キャンプ地となっている。「水辺にあって自然が多いところだと思った」と協力隊に応募した。
冬休みに市内四カ所の学童保育施設でモンゴル語教室を開いた。児童たちは帰り際、「バヤルタイ(さようなら)」「バヤルララー(ありがとう)」と習ったばかりのモンゴル語であいさつしてくれた。「子どもたちの発音も良くて、緊張せずにモンゴル語を使ってくれたのがうれしかった」
東京五輪ではモンゴル側との相談窓口を任され、重量挙げチームや在日大使館とメールでやりとりをしている。しかし、東京五輪は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開催自体が危ぶまれている。故郷では、毎年二月の旧正月恒例の親戚の集まりが自粛を強いられた。
不安な日々が続く中、会員制交流サイト(SNS)を活用し、モンゴル語と日本語で市の情報を発信し続ける。「日本に留学しているモンゴル人の大学生から『旅行したい』『できれば行方市で仕事したい』との声があった」と手応えを感じている。市名産品のサツマイモを紹介した時はとりわけ反応が良かった。
市役所麻生庁舎の一角に最近、モンゴルを紹介するコーナーも設けた。日本とモンゴルの位置を示す大きな地図の前に民族衣装を展示するほか、モンゴル相撲など三競技が繰り広げられる国民的祭典「ナーダム」を写真を交えて紹介している。今後は、食事や音楽などについても取り上げていく予定だ。
コロナ終息後には、ナーダムのようなモンゴルの祭りを開催したいと思っている。「日本にいるモンゴル人に行方市を知ってもらいたいし、行方市民にもモンゴルを知ってもらって、両方を結びたい」(水谷エリナ)
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誰もが新型コロナウイルスと無関係ではいられません。日曜日に随時掲載している「いばらき ひと物語」では「コロナ編」を新たに始めます。
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May 10, 2020 at 11:22AM
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