ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は10月7日、公式ブログ「PlayStation.Blog」で次世代ゲーム機「PlayStation 5」(PS5)の分解映像を公開した。新しい冷却システムや基板など、設計から開発まで5年をかけたPS5の「技術の結晶が美しく詰まっている様子」が見られる。
動画ではPS5の外観やインタフェース類を映した後、ベースを外して横置きにする方法、両側の白いパネルを外して内部にたまったホコリを掃除する方法も紹介。パネルを外すと2カ所にダストキャッチャーの穴があり、掃除機などでホコリを吸い出せるという。
パネルの下には将来のストレージ増設のためのPCIe 4.0対応のM.2インタフェースを用意。ここまではユーザー自身でアクセスできる。
分解を進め、大きな冷却ファンやUltra HD Blu-ray Discドライブ、基板などを取り外すと、CPUやGPU、メモリーなどが露出。基板上に円形に並んだSSDの中心にカスタムのSSDコントローラーが見えた。このコントローラーにより、「読み込み速度は毎秒5.5GBと高速化。ゲームのロード時間を大幅に短縮した」という。
スペック表にあった「液体金属」の正体も明らかに。PS 5ではSoCの小型ダイを非常に高いクロックで動作させるため、シリコンダイの熱密度が非常に高くなる。SoCとヒートシンクの間に挟むTIM(ティム)と呼ばれる熱伝導材の大幅な性能アップが必要だったという。
SIEでは、長期に安定した冷却性能を実現するため、TIMに液体金属を採用することを決めた。そこから2年以上の時間をかけ、「考え得るありとあらゆる試験」を行い、採用に至ったという。
ファン同様、ヒートシンクも大型だ。PS3やPS4と同じようにヒートパイプを使っているが、形状やエアフローの工夫により、ベイパーチャンバーと同等の冷却性能を実現したという。
動画を掲載したPlayStation.Blogのページでは、開発チームがこだわった「美しい設計」を解説している。
「筐体を分解して開けたときに中が美しく整って見えるということは、部品点数も含めて設計に無駄がなく、結果として不良が少なく、高品質で完成度の高い製品であるということを意味するのです」
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