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小松の親分逝く 植木等絶賛「人間観察」で極上喜劇 - ニッカンスポーツ

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ヒット曲「しらけ鳥音頭」で知られ、コントから生まれた「小松の親分さん」の愛称で親しまれたコメディアン小松政夫(こまつ・まさお)さん(本名松崎雅臣=まつざき・まさおみ)が7日午前6時45分、肝細胞がんのため、東京都三鷹市の病院で死去した。78歳。

11日に家族葬が営まれた。喪主は妻松崎朋子(まつざき・ともこ)さん。

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業務提携を結ぶ事務所関係者によると、昨年11月に肝細胞がんの診断を受けた。通院、投薬を主体に治療を続けていたという。今年11月14日に入院した後、容体が急変、今月7日に妻ら家族に囲まれて息を引き取った。本人の遺志、コロナ禍の状況を踏まえ10日に通夜、11日の葬儀が家族、親族だけで静かに営まれた。

生涯を通してコメディアンだった。福岡に生まれ車の敏腕セールスマンだった22歳の時、「クレージー・キャッツ」の故植木等さんの運転手兼付き人となった。付き人時代にプロデューサーらにした雑談が受け日本テレビ系バラエティー番組「シャボン玉ホリデー」でデビュー。人を楽しませる生来の明るさがあった。

伊東四朗(83)と共演し、76年開始のNET系バラエティー「みごろ! たべごろ! 笑いごろ!!」では曲「しらけ鳥音頭」「電線音頭」が大ヒット。映画評論家淀川長治さんの物まねや「どうかひとつ」などギャグも次々に生んだ。

植木さんから褒められた観察力を生かし「表彰状、あんたはエライ」などのギャグには、実際観察した人物を取り入れた。笑いのため努力は惜しまなかった。

俳優としても映画「駅 STATION」、ドラマ「前略おふくろ様」など数多くの作品に出演。爆発的で個性的な役もあれば、地味な中年刑事といった役も演じ、持ち前の観察眼と、舞台やバラエティーでつちかった経験を生かした。

昨年は芸能人生集大成として、10月31日~11月4日に主演舞台「『うつつ』小松政夫の大生前葬」に本人役で出演。「しらけ鳥や電線マンのギャグもすべてやります」と言った通りすべてを詰め込んだ。その後がんが判明したとみられる。

すでに闘病中だった今春、三田佳子(79)主演NHK BSドラマ「すぐ死ぬんだから」(8~9月放送)の撮影に参加。三田のブログには、真剣な表情で撮影に臨む小松さんの写真も掲載された。映像作品としては同作が最後になった。

最後の仕事は、10月26日のNHKラジオ第1「武内陶子のごごカフェ」生放送。自宅から電話出演し植木さんとの思い出や、今年自動車の運転免許証を自主返納したことなどを明かした。小松さんは「皆さんを笑わせたい。喜んでもらいたい。もう少し頑張ってみようかと思います」などと意欲的に語っていた。

日本喜劇人協会の会長として、喜劇界を引っ張っていた。舞台に映像、喜劇に現代劇、幅広いジャンルを縦横無尽に行き来した小松さんの喪失は大きい。

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