昨年5月には提出されるはずだった欧州連合(EU)のマイクロプラスチック汚染廃絶法案が遅れている。コロナ禍があったとはいえ、環境破壊・気候変動は待ったなしだと、汎欧州の環境関連団体が連名で一日も早くと急き立てている。化粧品・パーソナルケア製品に含まれるマイクロプラスチック廃絶を求める強力なNGOはこれに先立ち、化粧品やパーソナルケア製品に含めるものについて、取り除きを求める活動を展開している。
マイクロプラスチック、マイクロビーズ、ナノプラスチック(以降、「プラスチック」は適宜プラと表記)などの用語は巷で広く使われている。一般的に、マイクロプラとは直径(長さ)5ミリメートル以下のプラ片を指し、さらに小さい1000分の1ミリメートル以下の微細片はナノプラスチックと呼ばれる。化粧品・パーソナルケア製品(以降「化粧品」と表記)に研磨効果などのために意図的に加えられる合成ポリマー製のものはマイクロビーズと呼ばれ、洗い落とすタイプの製品に多用されてきたが、昨今では少なくなってきている。定義は確定していないものの、ある条件下では生分解するものや液状・水溶性など固体ではないものも含め、一般的にはマイクロプラと総称される。化粧品に含まれるものは、生産過程で意図的に加えられるので、レジ袋などが環境中で劣化して微細化したマイクロプラとは異なるという意味で、「プライマリー・マイクロプラ」と呼ばれることもある。
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