- エンドカンナビノイド・システム(ECS)は、人体のホメオスタシスを維持
しかし、ECSは老化と外部からのストレスによって、働きを弱めてしまいます。ECS活性の低下は、外部環境の変化に関わらず肌状態を一定に保ち続ける、ホメオスタシスの喪失につながります。これらのことから、ECSは今後の美容皮膚科学の重要なターゲットになると期待されています。
- ECSの働きを補う「フィトカンナビノイド」
しかし、CBDはその起源が大麻草(Cannabis sativa L.)に限定され、抽出部位や製品規格には厳しい規制があります。また、大麻成分THCを除去するために精製された純度99%以上のCBDアイソレートでは、大麻草エキス本来の効果が低下してしまうという課題もあります。たとえ安全だとしても、大麻草由来原料を使うこと自体に心理的な抵抗感があるのも事実です。
- 「春の皿には苦味を盛れ」という日本人の知恵をもとに、「ふきの芽」から原料開発
- 『ふきの芽フィトカンナビノイド』は皮脂バランスを整える
そこで、被験者を高皮脂群と低皮脂群に分け、本原料を額と頬に連用塗布し、皮脂量を測定(図1)。その結果、高皮脂群では皮脂量は低下し、一方、低皮脂群では皮脂量が上昇することが示されました。このとき、比較品として試験したコントロールとCBDアイソレート群では著効は見られませんでした。
本臨床試験の結果を、高皮脂群の皮脂量を100としたときの皮脂バランス調節作用としてまとめました(図2)。本原料には、皮脂過多の肌では皮脂量を抑制し、皮脂過少の肌では皮脂量を増加させることで、肌の皮脂バランスを整える効果があることが分かりました。
『ふきの芽フィトカンナビノイド』は皮脂腺に働きかけることで、CBD様作用を発揮します。さらに、過酸化脂質抑制、活性酸素消去、抗炎症データも取得済みで、毛穴黒ずみやニキビ、加齢臭対策としても期待できる原料です。
本成分は当社OEM事業を通じて、さまざまなスキンケア製品に活用されます。
当社は、今後も日本の植物を独自に活用し、肌への有効性を発揮する化粧品原料の開発を進めてまいります。
■サティス製薬について
技術資料
◆秋田伝統野菜「秋田ふき」の芽ならではのフィトケミカル
①春山菜の比較
ふきの芽には、他の春植物には含まれないセスキテルペン類が豊富に含まれます(図3)。また、ふきの芽の主要セスキテルペンであるイソペタシンはCBDと構造が類似しています。
春の山菜のなかでもふきの芽は、雪溶けを待たずに凍土を破って一番初めに顔を出します。冬の間にお腹を空かせた野生動物に狙われやすく、それらから身を守るため、苦みや香りが強いという特徴があります。
②産地ごとの「ふきの芽」の比較
日本各地のふきの芽のなかで、「秋田ふき」はペタシン類がとくに多いという特徴が見られます(図4)。以上の分析結果から、数ある春の山菜のなかでも、「秋田ふき」の芽は、トップクラスのフィトケミカルを含有していることが示されました。本原料には、秋田の伝統野菜である、「秋田ふき」の芽を使用しています。
◆皮脂の変動要因
肌表面のべたつきは気になりがちですが、皮脂は単に抑えればよいというものではありません。分泌された皮脂は汗と混じり合って肌表面に皮脂膜(バリア)を形成します。皮脂分泌は肌を守るための大切な現象であるため、そのバランスが大切になります。皮脂量は、年齢、性別、季節、部位で大きく変動します。
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