Search

コロナ禍で大打撃の化粧品業界、なお難題に直面 中国市場変化、処理水放出でボイコットも - 産経ニュース

百貨店の化粧品売り場=東京都内(山沢義徳撮影)

国内の化粧品業界が転換期を迎えている。新型コロナウイルス禍による外出自粛やインバウンド(訪日客)需要の縮小で落ち込んだ国内市場は回復傾向にあるものの、コロナ禍前には及ばない。一部の企業にとっては一大市場の中国で地場メーカーが台頭しており、不安要素は尽きない。国内トップメーカーがテコ入れを図るなど、メーカー各社は新型コロナによって変化した市場への対応を模索している。

口紅は全く売れず…マスク生活「致命的」

「日本は成長市場ではない。市場のニーズ、消費者の動向に敏感となり、素早く対応できる態勢が必要だ」。8日、東京都港区の資生堂で開かれた記者会見で、藤原憲太郎社長は9月1日付で同社の日本法人資生堂ジャパンの代表取締役会長を兼任することを明らかにし、こう訴えた。

8日に発表された業界トップの資生堂の令和5年1~6月期の連結決算では、売上高は前年同期比0・2%増の4942億円だった。決算説明会では特に日本と中国の市場の回復が強調されたが、資生堂関係者は「回復はしているが、新型コロナで受けた打撃は大きすぎた」と吐露した。

調査会社、インテージ(東京都千代田区)によると、国内の化粧品全体の市場は、元年は1兆円を超える規模だったものの、新型コロナ禍に突入した2年は8429億円まで減少。業界関係者は「マスク生活を余儀なくされたことは致命的だった。特に口紅は全く売れなかった」と振り返る。

中国市場に変化

市場は、4年には8584億円まで回復。インテージ市場アナリストの木地利光氏は「マスクに隠れる部分に使用する口紅やほほ紅で、落ち込みからの回復が顕著となっている」と説明した。

インバウンド需要の回復にも期待がかかる。中国政府は今月10日、日本への団体旅行を解禁した。観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、元年には中国人客が訪日外国人旅行消費額全体の3割以上を占めた。ただ、一大市場として資生堂などが進出している中国市場で、変化が出ている。

ある化粧品メーカーの関係者は「最近は中国の地場製品で良いものが誕生している」と説明。その上で、韓流アイドルのメークで注目を集める韓国の化粧品も中国に浸透していると語り、「日本の製品だけが売れる状況ではなくなってきている」と指摘した。

処理水放出でボイコット運動も

また、中国国内では別の不安要素も出ている。米ブルームバーグ通信(日本語版)は6月、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出計画を巡り、中国の不買運動が日本の化粧品メーカーに打撃を与えようとしていると報じた。

処理水が海に放出されれば健康被害が出るという主張が中国の交流サイト(SNS)上でトレンドになり始め、ボイコットを呼びかける運動が始まったという。根拠がない話だが、メーカーにとっては死活問題なのは否めない。

「メーカー各社は、コロナ禍でかなり傷ついた。市場が回復しているとはいえ、これを機に大きな変革があってもいいのではないか」。業界関係者はこう述べ、中国市場や中国人観光客に過度に依存しない業界への変貌に期待を込めた。(今仲信博)

中国団体旅行客が羽田到着 

Adblock test (Why?)



from "化粧品" - Google ニュース https://ift.tt/fXhRWzn
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

Related Posts :

0 Response to "コロナ禍で大打撃の化粧品業界、なお難題に直面 中国市場変化、処理水放出でボイコットも - 産経ニュース"

Post a Comment

Powered by Blogger.