午後5時半ごろ、熊野神社の社殿内では、白装束に烏帽子(えぼし)を着けた氏子らが長さ1メートルほどの「湯木(ゆぼく)」を、湯が沸き立つ釜に差し込んだ。湯には世界の神々が漬かりに来るという言い伝えがある。
湯気が立ち上る釜を囲み、白装束の中学生が舞を披露した後、神事を取り仕切る「禰宜(ねぎ)」の鎌倉博登司(ひろとし)さん(80)が「大天狗(おおてんぐ)」の面(おもて)を着けて午後11時半前に登場。煮えたぎる釜に素手を入れ、湯を周囲にはじく「湯切り」をすると、観客から「ヨーッセー」と掛け声が上がり熱狂に包まれた。
高校生の時から加わる平沢一也さん(36)は「祈りの歴史は絶やしたくない」と力強く語る。平沢さんによると、参加する小道木、川合の両地区の世帯数は15軒ほどで減少傾向。「自分がずっと若手扱い」で、本番前日から会社を休んで準備に加わった。
湯立てを取りやめた正一位(しょういちい)稲荷神社(南信濃木沢中立(なかだち))の禰宜滝浪政司さん(75)も神事に参加。「自分は神さまが好きなもんで。湯立てをやらないとなると寂しくてな」。来年の参加は未定だが、「神社同士のつながりは大事にしていきたい」と話した。
祭りは11、13〜15日、他の6神社でも順次開く。
(12月8日)
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December 08, 2019 at 06:38AM
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遠山郷の霜月祭り 1週間遅れで開始 飯田 - 信濃毎日新聞
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