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ボーイング、前期22年ぶり最終赤字 補償費膨らむ - 日本経済新聞

ボーイング、前期22年ぶり最終赤字 補償費膨らむ - 日本経済新聞

ボーイングは通年で22年ぶりの最終赤字に転落した=ロイター

ボーイングは通年で22年ぶりの最終赤字に転落した=ロイター

【ニューヨーク=中山修志】米航空機大手ボーイングが29日発表した2019年10~12月期決算は、最終損益が10億ドル(約1100億円)の赤字(前年同期は34億ドルの黒字)だった。小型機「737MAX」の運航停止が長引き、航空会社への補償費用が膨らんだ。運航停止は20年半ばまで続くとみられ、財務の悪化は避けられない見通しだ。

19年3月から運航が止まっている約370機の欠便や新造機の納入の遅れに対する補償として26億ドルを追加計上した。補償額は19年4~6月期の計上分と合わせて75億ドルとなり、19年12月期通期でも6億ドルの最終赤字となった。通期赤字は同業のマクドネル・ダグラス買収に伴う損失が膨らんだ1997年以来22年ぶりだ。

売上高の3割、営業利益の5割を稼いできた737MAXの出荷が止まり、10~12月のフリーキャッシュフロー(純現金収支)は26億ドルの赤字となった。部品の調達コストが膨らむのを避けるため1月から同機の生産を止めたが、工場の従業員は継続雇用しておりコスト抑制は限定的とみられる。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスとS&Pグローバル・レーティングは昨年末、キャッシュフローの悪化を理由にボーイングの発行体格付けを引き下げた。同社は手元資金確保のために借り入れを増やしており、信用力が低下すれば資金調達コストが膨らむ懸念がある。

ボーイングは19年末時点で生産能力の7年分に相当する約5400機の受注残があり、737MAXの運航が再開すれば業績は回復に向かう見通しだ。ただ、生産を止めたことで部品メーカーが人員削減に追い込まれるなどサプライチェーン(供給網)に影響が広がっている。同社は生産ラインの停止と再稼働に伴い、20年に約40億ドルの追加コストが発生するとの見通しを示した。

737MAX34機を保有する米サウスウエスト航空は、運航停止のうちは月間およそ1億ドルの営業減益につながる。アルミ大手の米アルコニックはボーイングが部品の調達を止めたことで20年に売上高が4億ドル減少すると見積もる。

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2020-01-29 13:13:37Z
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