火災から守り 善光寺を後世に 文化財防火デーで消防演習 - 信濃毎日新聞

　「文化財防火デー」の２６日、長野市の善光寺で市消防局や地元の自主防災組織などが消防演習を行った。消防隊員と地元住民ら１２０人余が参加し、火災が発生した際の対応手順を確認。延焼を防ぐために、本堂の屋根に向かって一斉に放水した。

　地震が発生し、山門（三門）近くから出火して国宝の本堂などにも延焼する恐れがある―との想定で実施。参加者は本堂内の文化財を屋外に運び出し、けが人役を担架で運んだ。近年増加する外国人旅行客への避難指示も想定し、英語や中国語などのアナウンスを交えて、外国人観光客役を誘導した。最後に７本の消防ホースで本堂の屋根に放水した。

　演習後、善光寺の小林順彦（じゅんげん）寺務総長は昨年発生したフランスのノートルダム寺院や沖縄県の首里城の火災に触れ「火災は全てを奪う。文化財を後世に伝えていくためにも、関係者全員で気を引き締めたい」と話した。

（1月28日）

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