送り火や松明、灯篭など古くから祭事で重要な役割を果たしてきた「火」や「炎」。なかにはこれらが主役の火祭りも全国各地に存在するが、「天下の奇祭」「日本一危険」などと謳われる火祭りがあるのをご存じだろうか?
それは愛知県西尾市の鳥羽神明社(とばしんめいしゃ)に1200年前から伝わる『鳥羽の火祭り』。毎年2月第2日曜日に開催され、先日行われた今年の祭りを現地で見てきたのだが、誇張などではなく本当に衝撃的な内容だった。
◆まずは真冬の三河湾でみそぎ
最寄り駅の三河鳥羽駅は、2両編成の列車が1時間に2本しか来ない無人駅。住宅が密集している地域もあるが周辺には田畑が広がり、コンビニはおろか、飲食店もほとんどない。
駅から10分ほど歩いて会場の鳥羽神明社に着いたが、全国的に有名な奇祭が行われる場所の割には境内はそれほど広くはない。ただし、その一角には竹と茅で組んだ5メートルほどの「すずみ」と呼ばれる大きな松明が2つ並んで設置されており、かなりの威圧感だ。
ちなみにこの火祭りでは、住んでいる地域の東西で「福地」「乾地」の二手に分かれ、参加者たちが業火に包まれたそれそれのすずみに飛び込む。競い合うようにして神木と十二縄を取り出して神前に供え、勝敗の行方とすずみの燃え具合で、その年の天候や作物の豊凶を占うという。
言い伝えでは、「福地」が勝てば豊作で雨にも恵まれるが、「乾地」が勝つと干天などの異変が起こるとされているため、「福地」にかかるプレッシャーがすごそうだ。
祭りが始まるのは午後3時。参加する神男(※両陣営の25歳の厄男から1名ずつ)と大勢の奉仕者たちは、お祓いを受けてからさらしにふんどし姿で1キロ以上を歩き、「みそぎ」を行うために海へと向かう。比較的温暖な地域とはいえ、真冬の2月に半裸。肩を組みながら威勢のいい掛け声が聞こえてくるが、そうやって気持ちを高めないとさすがにキツいのだろう。
海には参加者全員が入ったわけではないが、遠浅の海岸らしく先頭の一団は砂浜から200メートルほど沖合まで行っていた。祭りのお清めで冬場でも海に飛び込むこと自体は珍しくないが、明らかに10分以上は海水に浸かっている。サウナ後の水風呂ですら一瞬で出てしまう筆者には絶対無理だ。
◆客席にも火の粉や灰が!
海でのみそぎが終わった後は、しばらく休みを挟んで夜7時半から待ちに待った火祭りの本番。火を扱うとあって会場には消防士たちが客席とすずみの間に配置されている。境内は見物に来た大勢の人たちで埋め尽くされ、外国人の姿もチラホラ見かけた。
火祭りでは火打ち石を使って点火。空気が乾燥していることもあって勢いよくすずみが燃え上がるが、男たちはなんとはしごで火の中へと突っ込みもうとしている。
これはすずみの中にある神木と十二縄を取り出すためだが、正直ここまで身を危険にさらすとは思っていなかった。周囲から水をかけてもらっているとはいえ、気休め程度にしかならなそうだ。焼け石に水とは、まさにこのことだろう。
すずみに飛び込む奉仕者たちは「ネコ」と呼ばれ、分厚い頭巾や胴着に身を包んでいるが、何度も燃え盛るすずみに突っ込む姿には言葉では表現しきれない迫力があった。
最後は取り出した神木と十二縄を持って駆け出し、神明社の神殿に供えて終了。すずみが燃えているのは30分足らずの時間だったが、これを見るために朝早くから場所取りをしている人が大勢いたのも納得だ。
なお、燃え残りの竹は訪れた人が持ち帰ることもでき、それで作った箸で食事をすると歯の病気にならないと伝えられているとか。帰った後にそのことを知ったため、また行く機会があれば今度こそしっかり持ち帰りたいと思う。
全国のいろんなお祭りを見てきたが、この火祭りの右に出るものはそうないだろう。ちょっと煙臭くなってしまったのはご愛敬だが、こちらも手に汗握ってしまう大変見応えのある祭りだった。<TEXT/高島昌俊>
【高島昌俊】
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。世界一周(3周目)から帰国後も仕事やプライベートで国内外を飛び回っている。
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