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繊維産業の象徴、登録有形文化財へ 一宮・のこぎり屋根 - 中日新聞

のこぎり屋根が特徴の工場=一宮市木曽川町玉ノ井の葛利毛織工業で

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 国の文化審議会は十九日、一宮市木曽川町玉ノ井の葛利(くずり)毛織工業の工場など九棟を、国の登録有形文化財建造物に登録するよう文部科学相に答申した。織物産業で栄えた地域を象徴する繊維工場が文化財登録されるのは、市内では初めて。

 同社は一九一二(大正元)年に創業。工場、事務所、主屋、離れ、男子寮、旧浴場と便所、土蔵、原糸倉庫と倉庫の九棟が登録される。

 この地域の繊維工場特有の「のこぎり屋根工場」は、一九三二(昭和七)年ごろに建てられ、今も織布生産が行われている。北向きに高窓が付いているのも特徴で、光量の時間変動が少なく、糸や布の検品に適している。

洋風な外観の事務所(左)と離れ=一宮市木曽川町玉ノ井の葛利毛織工業で

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 工場と同時に建てられたとされる事務所は木造二階建て。外観は横長の板を重ねた「下見板張り」の洋風だが、二階の主座敷には床の間と床脇を備え、和洋折衷の造りになっている。

 主屋は南側の住居部分と、北側の倉庫部分をL字形につないでいる。倉庫部分は当初、女子寮だった。男子寮や旧浴場と便所は、住み込みで働いていた時代を伝えている。答申では「職住一体の経営形態の様相を今に伝え、今なお毛織物業を営む建物群で、当地域の歴史的景観を形成している」と評価された。

 のこぎり屋根工場の数を調査している市民団体「尾張のこぎり調査団」によると、市内には現在、約二千棟残るが、廃業などで減少している。

 市博物館学芸員の神田年浩さん(58)は「これを機に、地域の文化を皆で大事にしようという機運が高まればうれしい」と期待。同社専務の葛谷聡さん(46)は「創業百年を経て、次の百年への背中を押してもらえた」と話した。

 市内の登録有形文化財は、今回の九件を加えて計二十三件になる。

 (下條大樹)

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March 20, 2020 at 03:07AM
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