クリーンビューティをトレンドで終わらせないために何をすべきか? オーガニックコスメに精通した二人が、化粧品業界の環境との向き合い方について語った。
答えてくれたのは……
吉川千明さん
美容家・オーガニックスペシャリスト。1990年代より日本で広げたオーガニックコスメの第一人者。講演やアドバイザーとしても幅広く活動している。
南口夏那さん
伊勢丹新宿店 ビューティアポセカリーアシスタントバイヤー。国内外の数百のオーガニックブランドを取り扱い、最新のコスメを知り尽くしている。
各ブランドが「地球のためにできること」を始めている
日々進化を続けるクリーンビューティ業界に寄り添ってきたオーガニックスペシャリスト、吉川千明さんと、日本のナチュラル・オーガニックコスメ業界をけん引する伊勢丹新宿店 本館地下2階 ビューティアポセカリーの南口夏那さん。エキスパートの二人が、過去、現在、そして未来のクリーンビューティについて語り合った。
吉川:オーガニックコスメを語るうえで欠かせないブランドがヴェレダ(1)。今でこそ地球のために配慮したコスメがたくさんありますが、ヴェレダは約100年も前から人間と自然の調和を考えてきました。人間が生活をするうえで自然を壊してはいけないと植物や昆虫との共存に長年取り組んでいます。スイスの本社の社屋も自然に配慮されたもので、多くのブランドのお手本になると思います。ニールズヤードレメディーズ(2)も容器にリサイクルガラスを使用しているなど、今でこそスタンダードな取り組みを約40年も前から実践しているのは素晴らしい。
南口:ビューティアポセカリーは2012年にフロアを地下2階に拡大させ、“お客さまが今もこれからも、美しく健やかに過ごすためのお手伝いをしたい"という思いから誕生。今年で10年目を迎えました。スタートさせた当時は、ポイントメイクのアイテムも今ほどカラーバリエーションがなく、スキンケアアイテムは冷蔵での販売や使用期限が数カ月しか持たない製品なども珍しくありませんでした。その点、今は化粧品の開発力の向上により、多くのブランドが安定してオーガニックコスメを販売できるようになったと感じます。
吉川:グローバルな化粧品会社からサステナブルなブランドが誕生しているのも素敵な流れだと感じます。資生堂のバウム(3)は家具ブランドのカリモクと組んで、廃材になる木片を容器に使用。
花王グループのアスレティア(4)はリサイクルガラスを使用するだけでなく、化粧品ブランドらしくエビデンスを示している点もいいですね。
南口:ユニークなアクションとしては、美容機器でおなじみのMTGのブランド、ON&DOは五島列島で活動しているのですが、定期的に社員の方が海辺でゴミ拾いをしているそう。ゴミをそのまま捨てず、カラフルなトレイ(5)にアップサイクルをしているのもあまり見かけない取り組みだと思います。
吉川:大きなブランドは社会的ミッションとして、自然を守っていかなくてはいけないと、さまざまなアクションを起こしていますね。オーガニックやナチュラルなコスメは植物原料があっての製品なので、たくさん売ることと作ることのバランスが難しいとは思うのですが、各企業が最大限の努力をしているのではないでしょうか。
南口:大きい企業もある一方、ビューティアポセカリーでは個性の際立ったブランドも積極的に取り扱っています。
吉川:ホリスティックなブランドの先駆けのシゲタパリのチコさん、日本の原料にこだわったワフィトの森田敦子さん、化粧品だけでなくインナービューティも支持されているアムリターラの勝田小百合さん、青山のオーガニックストア、シンシア・ガーデンを展開するビーバイ・イーの杉谷惠美さん。日本のオーガニック業界をけん引する方も多くいらっしゃいます。
南口:エルゴン(8)(9)はイタリアのブランドですが、多くのラインから髪の悩みに合った製品を選べるので注目。オーガニックだからと効果や使用感を我慢せず、直感的に使いたくなります。
吉川:さまざまな化粧品があふれている世の中で、エルの読者のみなさんには、安さや手軽さだけではなく、なぜこの化粧品がいいのか、この価格なのかなど、コスメに対する感性を磨いてほしい。同時に化粧品会社にもコスメを作る責任をもってほしいです。
南口:クリーンビューティという概念がスタンダードになり、言葉がなくなっていくのが理想ですね。
※バウム、アスレティアは、伊勢丹新宿店 本館1階での取り扱い。また、エルゴン アンチレッド シャンプーは、11月14日時点では本館地下2階 ビューティアポセカリーでは取り扱いなし。
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