
カナダ政府は先日、食品医薬品法の改正案を盛り込んだ総合予算案を承認。安全性を立証するため動物実験を行う化粧品の販売と輸入を禁止し、動物実験に関して虚偽または誤解を招く表示を行う化粧品の販売も禁止した。
ジャン-イブ・デュクロ保健大臣は次のように述べている。
「動物実験は残酷で不要だ。だからこそ、化粧品の動物実験禁止を誇りに思う。私たちは、動物福祉を改善するために必要となるあらゆる措置を取っていく」
カナダで動物実験が禁止されるまでの道のりは、決して平たんなものではなかった。最初に上院議会に動物実験禁止法案が提出されたのは、2015年のことだった。その後、3年の月日を経て上院を通過したものの、2019年には下院で否決された。
2021年には自由党が動物実験廃止を公約のひとつに掲げ、2023年度の予算の一部に、動物実験を禁止するための食品医薬品法改正案を提案。ついにその改正案が可決されたのだ。
動物実験を禁止する本法律の施行は、2023年12月からになる見込み。
現在、動物実験を禁止・制限する世界の国は、40か国以上にのぼる。2013年にEUが動物実験を全面禁止したのを皮切りに、イスラエル、オーストラリア、ニュージーランド、インドなどが続いている。アメリカでは、カリフォルニア州、ニューヨーク州、ハワイ州、ネバダ州など、10の州で禁止している。
化粧品の開発や製造における動物実験を廃止する動きは、世界に広がっている。動物実験を行わないことが世界のスタンダードとなる日は、着実に近づいているのではないだろうか。
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