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県文化財カメラマン30年 多賀で寿福さんしのぶ写真展 - 中日新聞

寿福さんの撮った写真が並ぶ会場=多賀町四手のあけぼのパーク多賀で

写真

 県の文化財の写真を三十年以上にわたって撮り続け、昨年二月に六十五歳で亡くなった大津市のカメラマン寿福滋(じゅふくしげる)さんをしのぶ写真展が、多賀町四手のあけぼのパーク多賀で開かれている。十五日まで。

 考古学に関心を持っていた寿福さんは一九九〇年ごろ、文化財カメラマンとして活動を始め、県内を中心に学芸員や専門家と協力しながら国宝や県の重要文化財などを撮影してきた。ライフワークとして、第二次世界大戦でビザを発給してユダヤ人の命を救った外交官杉原千畝の取材にも取り組み、二〇一一年に県文化賞を受賞した。

 晩年は「多賀に移住してもっと写真を撮りたい」と願っていたこともあり、家族や友人が町立文化財センターと協力し一周忌の記念として企画した。湖東三山や比叡山延暦寺の写真のほか、多賀大社や敏満寺の伝統行事、朝焼けに染まる竹生島の風景写真など約三百点が並ぶ。九日午後二時から「寿福滋をしのぶ会」による追悼講演と交流会がある。申し込み不要。

 町立文化財センターの担当者は「県だけでなく国を越えて幅広く活動した寿福さんの活動を知ってもらい、生涯をかけて撮影してきた写真が歴史や文化への理解につながってほしい」と話した。

 (倉掛雅史)

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