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オンデル・オンデル 伝統文化から大道芸に転落 - じゃかるた新聞 (会員登録)

 この大都市ジャカルタで最も有名で文化的な巨像は何かと尋ねれば、多くの人が巨大な人形が練り歩く「オンデル・オンデル」と答えるだろう。
 男女一対でペアとなるオンデル・オンデルはもともと、ブタウィ族や昔からジャカルタで暮らす人々の伝統行事で欠かせない存在だった。近代に入ると、収入を求めるオンデル・オンデルがジャカルタ郊外をパレードするようになる。グループは5人で構成されるケースが多く、移動しながら商業公演を行ってきた。
 しかし、この2年ほどの間にオンデル・オンデルを取り巻く環境は、大きく様変わりした。公演から収入を得る機会が少なくなり、通行人に小銭をせがむ〝物乞い〟同然となっているのだ。つまり、歴史ある伝統文化が大道芸に成り下がったといえる。
 これら大道芸的なオンデル・オンデルは、中央ジャカルタでは中枢的存在のサリナ・デパート近辺に多い。近くを通るワヒッド・ハシム通りには、竹で編まれた2メートルほどの人形がよろよろと動き回り、周囲への迷惑など気にも留めない。そのすぐ脇で10歳そこそこの子供たちが、歩行者や信号待ちの車に近づき、空き缶を顔に押し付けて小銭を無心している。
 ファウジ(9)とアアン(10)もワヒッド・ハシム通りで歩行者に小銭を無心していた。2人とも放課後に夕方6時近くまで働き、一日に8万~10万ルピアを稼ぐという。ただ、話はそれで終わらない。2人は稼いだ金をグループの仲間全員に均等に配分していた。さらにはオンデル・オンデルのレンタル料も払うという。結局、手元に残るのは1人1日で1万ルピア程度だった。
 ロスミダ(46)とティティン(37)は家計の足しにしようと、オンデル・オンデル大道芸に加わる主婦だ。
 ロスミダによれば、タムリン通りの「カーフリーデー」やモナス(独立記念塔)など車のいない場所と日を選び、オンデル・オンデルで繰り出すが、「収入はオーナーと山分けしなければならない」と話す。
 ティティンは「毎日やれば1日の収入は5万から6万ルピアになる。少ないけれど、これが子供達の食費と教育のための唯一の収入源」という。
 一方、ジャカルタ特別州政府文化振興課のシャーリー・ユリアナは「ブタウィ族の文化遺産を台無しにする悪習だ」と頭を抱える。市当局は今後、重点地点を決めて彼らの一掃に努めるが、「一時的な解決策にしかならない」。
 ブタウィ文化保護の支援者で、俳優業を兼ねた政治家のラノ・カルノは「オンデル・オンデルはオランダ東インド会社の時代から頃から、オールド・ジャカルタに浸透した中華圏やアラビアの文化に影響を受けている」と文化的な意義深さ指摘。行政による支援事業を拡充させる必要性を強調する。
 オンデル・オンデルを元の文化資産に戻すことは急務だ。この問題に真剣に取り組まなければ、貧困層の小銭稼ぎが首都を徘徊する日々が続くだろう。今日も、そして明日も。
文:ユリアニ・トゥリ・アトゥティ 
編集:リリス・イラワティ 写真:ジョコ・ハリスモヨ

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March 22, 2020 at 11:29PM
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